ニューヨーク不動産のQ&A
Q1. 米国への不動産投資にはどんなメリットがありますか?
より有利な利回りとドル資産の保有がキーワードだと思います。
近年日本でも採用されだした収益還元―どれだけの収益を生む不動産か?-により不動産価値は決まります。築年数を重ねた建物も立地と建物管理とテナント次第で日本と比較にならない価値を生む合理的な考え方です。
加えて、米国では契約定期借家が制度的に確立しており、商業用不動産の場合には5年・10年・15年の長期契約が一般的ですので、長期に収入が安定します。
また、マンハッタンの真中で建物比率70%以上で減価償却が見込めるメリットがさらに税務効果を高めることが可能となります。
Q2. 米国不動産への投資手法にはどのような方法がありますか。
● 直接投資:日本の投資家が直接購入し、海外投資による税務効果が日本の投資家に直接影響してくる投資形態です。
● 間接投資:現地に法人を設立し、その法人が不動産投資をする手法です。所得に対しては米国の税率が適用されますので、日本の税率との比較がポイントとなります。
★ 新しい投資形態―LLC(有限責任会社)による間接投資
Q3. LLC(有限責任会社)とはどのようなものですか?
90年代中に制定された新しい事業会社形態です。LLC=Limited Liability Companyは、直訳すると有限責任会社となります。米国独特の会社法により設立される会社で、世界の経営者、企業家、投資家が注目しているハイブリッドな会社形態です。
主な特徴は、
① 株式会社と同様に事業に対する出資者の責任は有限です。
② 株式会社の形態をとりながら匿名出資の構造をとることによってLLCの法人には課税されないというところです。
(英語の表現では、「Pass Through」と呼ばれています。)
現在、マンハッタンでは不動産を個人あるいは株式会社名義で所有するよりは、所有者に対して発生するリスクを物件レベルで抑えることのできるこの形態を通して所有することが一般的になっています。
Q4. 日米の税務の違いを教えて下さい。
★ 減価償却の考えかたが違います。日本においてはSRC造建物で50年の期間で定額法(法人なら定率法も可能)で償却費を計算しますが、米国においては商業用で39年、居住用で27.5年という短い期間で定額法で計算します。
また、中古建物については、日本においては購入時点の残存期間が適用(50年を超えた場合は新築耐用年数の20%の期間が適用)されますが、米国においては所有者が変わるごとに、その購入時点から新築の耐用年数が適用されます。
★ 最高税率が違います。日本では個人の所得税の最高税率は42%に対して、米国では連邦税39.6%と低率の税になります。
★ 相続税の評価方法が違います。日本の不動産の評価額を求めるとき「路線価」がベースになりますが、米国では相続時点の適正時価つまり不動産鑑定士の評価によります。一般的に実勢価格の約70~80%に圧縮される可能性が大です。